ホイヤー ベビークロノ バルジュー69

ED.Heuer Chronograph Valjoux 69

2レジスター・クロノグラフ/直径33mm/厚さ12mm
ref.59059

焼けた文字盤にブルースチールハンド

Valjoux 69/手巻き/直径23.35mm/17石/毎j時18,000振動
serial.200942

名門ホイヤーのアンティーククロノ

スポーツウォッチの名門、ホイヤー(現タグホイヤー)の2レジスター。
3時位置に30分積算計、9時位置には60秒永久秒針が配置されています。ムーブメントがとても小さいので、この2つのインダイヤルが他のクロノグラフと比べてやや中央寄りなのが特徴です。60年の時を経て、針の夜光塗料も完全に抜け、文字盤はクリーム色に焼けています。

小さいレディースサイズながら、文字盤外周にはタキメーター、内側にはテレメーターを備える本格仕様です。

希少な極小キャリバー69

通称、ベビークロノと呼ばれる直径23mmのバルジュー(Valjoux) 69。

メカニズムはキャリバー23/72系と同じ、コラムホイール、キャリングアーム式でありながら、そのサイズは驚くほど小さいのです。生産量も少ない上に、小さい部品の故障や破損のために、アンティーク市場でも圧倒的に数が少なく珍しい存在です。

同じValjouxの23(左)と69(右)の比較

ホイヤーの歴史

その歴史は1860年、エドワード・ホイヤーがサンティミエに設立した工房から始まります。

エドワード・ホイヤーの刻印

計測メカニズムの開発に力を注ぎ、スイングピニオン伝達機構や1/100秒単位の計測が可能な「マイクログラフ」等を開発、1920年のアントワープ大会からオリンピック公式計時も担当しました。

モータースポーツとの関わりは、1911年、世界初のダッシュボードクロックから始まりました。1969年にはブライトリングと世界初の自動巻きクロノグラフ「クロノマチック」を開発し、これを搭載したレーシングウォッチ「モナコ」は人気を博し、名優スティーブ・マックイーンはじめ、世界中のレーサーに愛用されました。

クォーツショック以降、経営が悪化していた1985年、F1マクラーレンチームのスポンサーとエンジン技術開発を行っていたタグ(TAG)から資金提供を受け、現在のタグ・ホイヤーの社名になりました。F1の公式計時を担当してからは、最先端デザインのスポーツウォッチの人気に火がつき、時計ブランドTOP4に名を連ねるまでに成長します。

1999年にLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)グループ傘下となり、同じグループのゼニスのエル・プリメロや1/100秒を計測できるCal.360を搭載した新作を発表し続けています。しかし、コンセプトモデルV4の実用化も滞っており、ETA2010年問題がささやかれる中、パッケージングに頼らない次の一手が必要です。