「ドレス・ウォッチ」という言い方を聞いた覚えがあります。フォーマルな場にふさわしいシンプルなデザインのもののことをいうのでしょうか。
・IWC の手巻きポートフィノ IW201001 IW201003
・セイコー SCVL001 cal.6810 (実はこれがつい最近まで私の理想の腕時計でした)
・バセロン・コンスタンチン パトリモニ
[・ローレックス チェリーニ
などが相当するでしょうか。確かに正装にはマッチするものだと思います。ただ、これらはそのほとんどがフラットダイヤルにフラットガラス、秒針無しのものなので、シチズン・ジュニアやロンジン 18K 手巻きなどとはかなり印象が異なると思います。私は別のジャンルの製品にしたいと思います。
つい最近まで(4月の中頃あたりまでだったか?)フラットダイヤルにフラットガラス、2針でなければ......... ! 、秒針はダメ!、と思っていたのですが、フラットタイプのシャープさが冷たく思え、「カーブドダイヤル、ドーム型ガラスのあたたかさと深遠さが一番!」と思う様になってしまいました。針も、中三針のほうがルックス的にバランスが良いと感じ、これで自分の理想の腕時計というものがどんなものかがはっきり認識できたということです。
ポートフィノ・オートマチックやセイコー5などを実際に手にしてみて、初めてわかった部分もあると思います。
数年前にとなり組の中にある時計屋さんにお願いして、倉庫に売れ残った古いタイプ(自分が高校入学の頃:1978年頃:に見かけたセイコーの二針手巻き、ちょうど SCVL001 のようなイメージ)のものを探してきてもらったら、なんと思いもしなかった、自分が生まれる前につくられた、セイコー、シチズン、オリエントそしてそれまでその存在を知らなかった、タカノのカーブドダイヤル、ドーム型プラスチック風防の手巻きのものが、実は自分がもとめていたものに一番近かったということです。
ベテランのプロの時計技師さんに言わせれば「あんまりいい機械じゃなかった」そうですが、最近毎日ゼンマイを巻くようになったらそれまで日差+1分くらいだったものが+30秒くらいになってきた。私の、5振動の音の原点も実はこの時計だったようです。裏蓋を開ければまさに新品の美しさ、文字盤には腐食があり、迷彩模様の様になっているけれど、私が生まれたその年にその歴史を閉じたという
タカノの中三針17石手巻きステンレスケース入り
はいいカンジで動いています。