表輪列の組み立て

SWATCH(機械式)の組み立て (1)

腕時計の自動巻きムーブメントを組み立てます。分解に比べて組立はとても難しいですが、できるかぎり詳しく紹介します。
分解した過程はコチラを見てください。

機械台に設置

地板

裏、表に注意

地板(じいた)を機械台に固定します。
ムーブメントのキャリバーの番号「2842」が刻印されている方を上に向けます。

輪列の組み立て

ブロア

二番車

歯車をもとの場所に組み上げていきます。分解のときと同様、歯車の歯はやわらかいので、慎重に取り扱います。
ここでは、ベンジンでのパーツ洗浄は割愛しますが、最低限、ブロア(ちり吹き)やセルベット(磨き布)で、付着したほこりや指紋などを綺麗にしてから組んでいきます。

二番車(1)、香箱(2)、ガンギ車(3)を格納

二番車のカナと香箱の一番車の噛み合わせ

このムーブメントは、二番車(1)、香箱(2)、ガンギ車(3)、三番車(4)、四番車(5)の順番で重ねていきます。歯車と隣の歯車のカナを正しく噛み合わせます。

三番車(4)

四番車(5)

輪列全体

すべての歯車が配置し終えたところで、上から二番受をかぶせます。歯車の真のホゾがきちんと受け石にはまっていることをキズ見で確認します。ここは慣れが必要です。

二番受をそっとかぶせる

受け石に収まっている歯車のほぞ

二番受のネジ止め

二番受がガタつかず、輪列もスムーズに回転することを確認します(これを「ザラ回し」といいます)。その後、二番受けをネジ止めします。

ゼンマイ周辺の組み立て

一番受けの取り付け

ネジ止め

香箱(ゼンマイ)の上から一番受けをかぶせます。ネジ止めは3箇所です。

丸穴車とコハゼを取り付けます。U字のコハゼバネは非常に飛びやすいので慎重に作業します。U字の一方の端を溝に入れ、もう一方をピンセットで溝に収めます(矢印部分)。
続いて、コハゼを動かさないように丸穴車をかぶせます。コハゼを動かすとコハゼバネがはずれたり、最悪飛んで紛失してしまいます。

コハゼとコハゼバネ

コハゼバネのはめ込み

丸穴車の取り付け

  

丸穴車と角穴車の固定

丸穴車を逆回しのネジで固定します。香箱の上の角穴車は、ネジ止めの際にゼンマイが回転しないように角穴車を指で押えながら固定します。

続いて、裏面(文字盤側)を組み立てます。

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